〜鵜飼の説明〜
鵜飼(うかい)とは、川で鵜(う)を使い鮎などの魚を獲る漁法の一つです。日本の鵜飼は今現在11府県13箇所で行われている伝統行事です。
特に岐阜市の長良川鵜飼は、1300年前から続けている伝統行事であり、多くの観光客でにぎわっています。
船首に篝火を付けた鵜船に鵜匠が乗り、10〜12羽の鵜を手縄でさばき、そして操っています。篝火で驚かせた鮎を鵜が次々に捕獲します。鵜匠は常時頃から鵜とともに生活しているので鵜と鵜匠は呼吸の合った動きを見せてくれます。
漁に出る前にその日の出漁の順番をクジ引きによって決めます。その順番によって漁獲量が変わってくるので鵜匠にとっては重要なことだそうです。
〜鵜飼の歴史〜
鵜飼の歴史は深く、「日本書紀」神武天皇の条に「梁を作つて魚を獲る者有り、天皇これを問ふ。対へて曰く、臣はこれ苞苴擔の子と、
此れ即ち阿太の養鵜部の始祖なり」と、養鵜部のことが見え、「古事記」にも鵜飼のことを歌った歌謡が載っています。天皇の歌に「しまつとりうかひかとも」とあります。
平治の乱で源頼朝が義朝と敗走するときに、義朝とはぐれてしまって長良川河畔をさまよったのですが、その時に鵜飼の長である白明の家にやどり、そこで食した鮎寿司のおいしさに飢えをいやしたのですが、1192年に右大将として上洛するさいに、白明の子を呼び出して恩に報い、また毎年鮎寿司を鎌倉に送るように命じたそうです。
鵜飼で得られる鵜は傷がつかなくて鵜の食道で一瞬で気絶させるため鮮度を保つことができるそうです。そのため、鵜飼鮎は献上品として殊のほかに珍重され、安土桃山時代以降は幕府や各地の大名により鵜飼は保護されていきました。
しかし、鵜飼は漁獲効率があまり良くないため、明治維新以降に大名等の後援を失った鵜飼は減少していき、現在は数えるまでにその規模を縮小しています。
現在の鵜飼は私たち(客)が屋形船からその様子を見て楽しむように、漁による直接的な生計の維持というよりも観光事業として行われています。
〜鵜飼の服装〜
・風折烏帽子(かざおりえぼし)…黒または紺色の麻布で、頭に巻きつけています。(篝火から髪を守ります)
形が風に吹かれて折れているように見えたことからこの名が付きました。
・漁服(りょうふく)…黒または紺色の木綿で出来た服です。色が明るいと鵜の恐怖心を煽るため暗い色になったそうです。
・胸あて(むねあて)…火の粉や松脂を避けるものです。収納ポケットにもなります。
・腰蓑(こしみの)…ワラ製で水しぶきを払い体が冷えるのを防ぎます。
・足半(あしなか)…ワラ製で普通のわらじの半分の長さのつま先で履くわらじのことです。魚の脂や水垢で滑らないようになっています。
ワラ作った足半は貴重なため、ビニール紐で作った足半が使用される場合が多いようです。
〜鵜飼を見るためのスケジュ―ル〜
1.受付をします。(ご予約の時間の前に済ませてください。)(17時30分〜)
2.鵜飼の説明を受けます。(鵜飼観覧船のりばにて鵜匠が鵜飼の説明をしてくださります)(17時45分頃〜)
3.乗船します。(17時30分〜19時15分)
4.出船します。(Aコース18時15分・Bコース@18時45分・BコースA19時15分)
5.川岸に停泊するので鵜飼が始まるまで食事等をします。(〜鵜飼開始の10分前頃)
6.鵜飼を開始する合図の花火が上がり鵜飼が開始されます。(19時45頃〜・45分くらい)
7.狩り下り - 観覧船と鵜舟が併走し川を下ります。
8.総がらみ - 6隻の鵜舟が横隊になり、浅瀬に鮎を追い込んで巻き狩りする漁法です。
※(8は納涼鵜飼日のみに実施します)
9.下船します。(20時30分頃)
鵜飼のながれ
画像元:ぎふ長良川温泉ホームページより
〜御料鵜飼〜
岐阜県岐阜市ならびに関市の長良川河畔における鵜飼は、宮内庁式部職である鵜匠によって行われています。鵜匠は岐阜市長良に6人、関市小瀬に3人いて、これらは全て世襲制です。長良川の鵜飼では、一人の鵜匠が一度に12羽もの鵜を操りながら漁を行います。
御料鵜飼は皇室御用の鵜飼であり、狭義には毎年5月11日〜10月15日まで行われる漁のうち特に宮内庁の御料場で行われる8回の漁を指します。御料鵜飼で獲った鮎は皇居へ献上されたり、明治神宮や伊勢神宮へも奉納されます。
〜周辺地図〜
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〜鵜飼に関する場所〜
・鵜飼ミュージアム
【住所】
岐阜県岐阜市長良51番地2
【電話番号】
058−210−1555
岐阜市を代表する伝統文化である“長良川の鵜飼”の価値を分かりやすく紹介・情報発信する場として通年営業を行い、例年5月11日から10月15日までと開催時期の限られている“長良川の鵜飼”について、オフシーズンにもその魅力を発信します。
実際に鵜飼漁で使われる用具などの実物資料や、漁や暮らしの現場を感じさせる映像・写真資料を展示し、長良川鵜飼の魅力を分かりやすく伝えます。
10月〜3月の土曜日、日曜日、祝日には、鵜匠による鵜飼の実演と鵜飼の説明を実施します。
鵜飼ミュージアムの展示室観覧にはお金がかかります。料金は下の表でご確認ください。なお、団体は20人以上の場合です。
利用区分 | 大人 | 子供 | |
個人 | 1人1回 | 500円 | 250円 |
団体 | 400円 | 200円 |
・長良川
長良川(ながらがわ)は、岐阜県郡上市の大日ヶ丘に源を発し、三重県を経て揖斐川と合流し、伊勢湾に注ぐ木曽川水系の一休河川で、
濃尾平野を流れる木曽三川の一つです。なお、下流の一部では、愛知県にも面していて、岐阜県の県境を成しています。
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