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平泉は、11世紀〜12世紀の日本列島北部領域において、仏教に基づく理想世界の実現を目指して造営された政治・行政上の拠点です。
その拠点に存在する4つの庭園は、奥州藤原氏により、現世における仏国土(浄土)の象徴的な表現、つまり池泉・樹林・金鶏山頂と関連して仏堂を周到に配置することにより実体化した理想郷の光景として造営されました。4つの庭園のうち3つは、神聖な山である「金鶏山」に焦点を合わせており、浄土思想の理想と、庭園・水・周辺景観の結びつきに関する日本古来の概念との融合を例証しています。また、浄土庭園のうち2つは、発掘調査により発見された多くの詳細事項に基づき復元されたものであり、他の2つは現在も地下に埋蔵されたまま残されています。さらに、重厚に金箔を貼った中尊寺の仏堂は、12世紀から残る唯一のものであり、奥州藤原氏の巨大な富を反映しています。
このかつての巨大な政治・行政上の拠点に存在し、浄土庭園、12世紀から残存する顕著な仏堂、神聖なる金鶏山との関係を伴う4つの寺院仏堂の複合体は、平泉の財力を反映する類い希なる集合であり、日本の他の都市の仏堂や庭園にも影響を与えた計画・庭園の意匠設計に関する概念を表しています。 |